秋以降の乾燥対策としての加湿の重要性
秋から冬にかけて、空気が乾燥しエアコンの使用頻度が増えるため、加湿対策が不可欠です。鼻や喉、気道の粘膜が乾燥すると防御機能が低下し、インフルエンザや細菌感染のリスクが高まります。
湿度が50%を下回るとインフルエンザの感染率が増加し、逆に80%を超えるとカビの発生が進みます。
例えば、以下のようなデータがあります:
- 気温10度、湿度50%ではインフルエンザの生存率は45%
- 気温20度、湿度50%では10%まで低下
- しかし、気温20度で湿度20%では65%に上昇
このように、湿度管理は温度管理と同様に非常に重要です。
適切な湿度管理の必要性
厚生労働省では、インフルエンザ予防として、ワクチン接種や手洗い、マスク着用とともに、湿度を50~60%に保つことが推奨されています。しかし、具体的な加湿方法については十分な説明がされていないのが現状です。
加湿器に関連する健康被害の事例
加湿器による健康被害として、過敏性肺炎やレジオネラ肺炎(死亡率10~30%)が報告されています。具体的には以下の事例があります:
- 1996年、東京の大学病院で加湿器が原因となり新生児3名が感染、1名が死亡。
- 2007年、新潟県で超音波加湿器が原因で男性が死亡。
- 2018年、大分県の高齢者施設で超音波加湿器が原因のレジオネラ感染で死亡例が発生。
特におしゃれなデザインの超音波式加湿器がネット上で人気ですが、適切な使用と清掃が求められます。
各加湿器の特徴
- スチーム式(加熱式)
- 煮沸により安全性が高い。
- デメリット:騒音、電気代の高さ、火傷のリスク。
- おすすめ:蒸発皿型(ポット型より静音で火傷リスクが低い)。
- 気化式
- 電気代が安く、静音性が高い。
- デメリット:フィルター清掃が必須、加湿が遅い。
- 超音波式
- インテリア性が高く、価格が手頃。
- デメリット:カビや細菌を含む水滴を放出するため、定期的な清掃とカートリッジ交換が必要。
- ハイブリッド式
- 気化式の短所をカバーし、静音で電気代も抑えられる。
- デメリット:高価でメンテナンスがやや面倒
おすすめの加湿器の選び方
病気を防ぐ観点からは、細菌やカビの繁殖が少ない加熱式(スチーム式)加湿器を選び、こまめな水の交換と清掃を行うことが重要です。一方、以下のタイプは特に注意が必要です:
- 超音波式、気化式、ハイブリッド式は、乳幼児や免疫力が低下している方がいる家庭では避けるべきです。
- 特に超音波式加湿器は、適切に清掃しないと病気の原因となることがあります。
その他の加湿方法
- 石油ストーブにやかんを載せる
- 室内に濡れタオルを干す
- 断熱性が高い家では乾燥しにくい暖房機器を活用
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