運動不足による血流の滞りと「脳梗塞」や認知症のリスク
~歩くことは、全身と脳の健康を守る鍵~
私たちの身体は、「気血(きけつ)」が全身を滞りなく巡っていることで健康が保たれています。
ところが、運動不足が続くと血流が悪くなり、さまざまな病気のリスクが高まります。
中でも注意したいのが、下肢の血流の滞りによってできる「血栓(けっせん)」が引き起こす病気――特に「脳梗塞」です。
■ 血栓が原因で起こる「脳梗塞」
長時間座っていたり、歩かない生活が続いたりすると、足の深部静脈に血栓(血のかたまり)ができることがあります。この血栓が剥がれて血流に乗り、脳の血管に詰まると、「脳梗塞」が発生します。
脳梗塞は、突然の片麻痺・言語障害・意識障害などを引き起こし、命に関わる重大な疾患です。
■ 「歩くこと」が脳を守る理由
歩くという行為には、血流を促進するだけでなく、脳を活性化させる働きがあります。
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バランスをとる
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周囲を認識して状況判断する
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行き先やルートを考える
こうした動作は、すべて脳が指令を出してコントロールしています。つまり、歩くこと自体が脳への良質な刺激になっているのです。
ですから、歩けなくなると脳への刺激が減り、認知機能の低下=いわゆる「ボケ」やすくなるとも言われています。これは脳梗塞によるダメージとも関係しており、歩行能力の低下と認知症リスクの増加は、非常に密接な関係があると考えられています。
■ 血流が悪くなると起こるその他の不調
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足の冷え・むくみ
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慢性的な肩こり・腰痛
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疲れやすさや頭重感
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気分の落ち込みや集中力の低下
これらも、血流の滞りと脳機能の低下のサインかもしれません。
■ 鍼灸と運動の併用が効果的
鍼灸では、ツボや経絡を通して気血の巡りを整えることで、血流を促進し、自律神経や脳の働きもサポートできます。
ただし、それに加えて**「自分で身体を動かす」こと=運動が欠かせません**。
特に「歩くこと」は、最も自然で、安全で、効果的な血流改善法であり、脳機能維持のトレーニングでもあります。
■ 今日から始める歩行習慣
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毎日15~30分、無理のないペースでのウォーキング
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長時間座るときは、1時間に一度は立ち上がり足踏み
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自宅でもできる「かかと上げ運動」「膝の屈伸」などもおすすめ
■ 最後に
「歩くこと」は、ただの移動手段ではありません。脳を働かせ、血液を巡らせ、病気を遠ざける“生命の営み”です。
脳梗塞や認知症を防ぐためにも、日々の歩行を大切にし、鍼灸と組み合わせて身体を根本から整えていきましょう。
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