世間はスポーツのアジア大会で賑わっている。
でも、俺は驚くほど興味がない。
野球をずっとやってきた。 高校では1番を打っていたし、自分では勝負強い方だと思っていた。
だから当然、勝負事も好きなんだと思っていた。
でも最近、 「あれ? 俺ってそもそも勝負事が好きじゃないのかも」 と思うようになった。
思い返してみれば、試合前にワクワクしていた記憶はあまりない。
「やってやる」
そうやって自分を高めてはいたけれど、その奥にはいつも不安があった。
ミスをして評価が下がるくらいなら、試合なんてない方がいい。 そんな変なプライドもあった。
それでも最後は、
「まあ、どうにかなるだろう」
学生の頃は、不思議とそれでどうにかなってきた。
だから俺は、自分のことを「勝負強い」と思ったのかもしれない。
大人になって心臓に疾患が見つかった時、医者から言われたことがある。
「心臓は消耗品みたいなところがあるから、あまり無理させないようにね」
その時、
ずいぶん無理させてきたんだなぁ。
と思った。
考えてみれば、俺はドキドキすること自体があまり好きじゃない。
映画やアニメのネタバレも全然気にならない。 むしろ先に結末を知って、
「なんで、そうなったんだろう?」
と、その過程を見る方が面白かったりする。
だからスポーツもハイライトで十分なのかもしれない。
ずっと自分は勝負強い人間だと思っていた。
でも今になって振り返ると、 勝負が好きだったわけではなさそうだ。
49年も付き合ってきた自分なのに、 まだ知らないことがある。
「あれって、そういうことだったのか」
昔の自分を見ながら、 今の自分が少しずつ答え合わせをしている。









